2021/07/30 05:42

初心忘るべからず。


「初心忘るべからず」は、習い始めたころの、謙虚なはりつめた気持を常に失ってはならない、また、最初に思いたった一念を忘れてはいけないの意。
この言葉は、約600年前に能の大家、世阿弥が書き記した「花鏡」に載っている言葉。

原文は『是非の初心忘るべからず。
    時々の初心忘るべからず。
    老後の初心忘るべからず。』 とあります。

現代語に訳すと
「未熟だったときの芸を忘れることなく、
 その年齢にふさわしい芸に挑むということは、
 その段階においては初心者であり、
 未熟さ、つたなさがある。
 そのひとつひとつを忘れてはならない。
 老年期になって初めて行う芸というものがあり、そこにも初心がある。
 年をとったからもう稽古は必要ないということはない。
 だからと、その時々で、自分の心の状況を意識して、変幻自在に変えていかねばならない」
という意味合いになります。

初心を大事にするだけでなく、
その年代相応でやることは無数にあります。
またその時々に、やり方も違ってくることもあります。
だから謙虚に、初心にように何事も取り組むことの大切さが説かれてあります。
謙虚に、驕らず、自分がいつでも未熟な存在であることを戒める言葉です。

いつも初心者マークを胸に、何事も千里の道も一歩から始まります。